女性の適正体脂肪率は?体脂肪が増える原因と体脂肪がエネルギーになるメカニズム

体脂肪は減らせば減らすほどいいと思っている女子も多いのでは?しかしそれは間違い!
体脂肪もなくてはならないもののひとつです。
女性の適正体脂肪率を意識して、健康的なダイエットを目指しましょう。
体脂肪はすべて悪じゃない!
痩せたいと願う人にとって体脂肪は邪魔な存在かもしれません。しかし、体脂肪は体調を維持するうえで、なくてはならない存在でもあるのです。
体脂肪は内臓のまわりにつく「内臓脂肪」と、皮膚の下につく「皮下脂肪」の2種類に分類されます。
一般的に問題とされるのは内臓脂肪で、生活習慣病の大きな原因であることが分かっているからです。しかし、私たちは体脂肪なしに生きていくことはできません。
たとえ内臓脂肪であっても、内臓の位置を適正に保つという働きがあり、適量がついていなければ内臓は正しい位置に留まることができません。また、体温も体脂肪があるからこそ一定に保つことができるのです。
さらに、体脂肪には生活習慣病の予防に役立つホルモンや食欲を抑制するホルモンなど、健康維持に欠かせないホルモンの分泌に深く関わっていることが分かっています。
そして、体を動かす時のエネルギー源にもなっています。体脂肪が少なすぎるとスタミナが欠如してしまいます。
以上のことから体脂肪の落とし過ぎは健康を害することも知っておきましょう。
女性の適正体脂肪率をキープしよう
適正体脂肪率は、女性で30歳未満が17~24%、30歳以上で20~27%と考えられています。個人差はありますが、その範囲を超えると体調不良発生のリスクが高まります。
【適正体脂肪率】
女性 | 男性 | |
30歳未満 | 17~24% | 14~20% |
30歳以上 | 20~27% | 17~23% |
体脂肪増大の主犯は「糖質」
体脂肪がつく最大の原因は「糖質」です。ご飯やパンなどの炭水化物や砂糖が体内に摂り入れられると、ブドウ糖(血糖)に代わり血液中に放出されます。このブドウ糖の量を数値化したものが「血糖値」です。
通常、糖は体内に取り込まれた後、グリコーゲンという物質に変換され、肝臓と筋肉に貯蔵されます。
しかし、貯蔵できる量には限界があり、肝臓や筋肉に貯蔵しきれなかった糖は体脂肪として体内に貯蓄されることになります。
糖を一度にたくさん摂ると使いきれず、貯蓄しきれない糖が大量発生して高血糖状態になり、血液中を漂う余った糖のほとんどは体脂肪に変わってしまいます。
もちろん、糖質の摂り過ぎは肥満に直結します。したがって、痩せるためには糖質と脂質の摂り方の両方に気を配る必要があるということです。
体脂肪は落ちずらい
体脂肪が減りにくい理由は、体脂肪がエネルギーとして使われるまでに長いプロセスを辿る必要があるからです。
体脂肪は脂肪細胞内で中性脂肪という脂肪に変換されて貯蓄されています。そして、もう一つのエネルギーである糖は異なり、遊離脂肪酸という脂肪に変換されなくてはエネルギーとして使用することができません。
この遊離脂肪酸を作り出すには、カテコールアミンというホルモンと、それを活性化させるホルモン感受性リパーゼという酵素が必要になります。
それらが中性脂肪を刺激することで、初めて遊離脂肪酸とグリセロールという物質に変換されるのです。
そして、グリセロールは使われることなく再び中性脂肪として体に貯蓄されます。
もう一方の遊離脂肪酸は血液中に放出されミトコンドリアというエネルギーを作り出す器官にとり込まれ酸素や糖と結合することで、ようやくATPというエネルギーのもとになるのです。
このような長いプロセスを経て、体脂肪は初めてエネルギー源として使われることになります。
このプロセスの完了には時間がかかるため、一般的には体脂肪を消費するには長時間の運動が必要とされています。
しかし、最近の研究では運動を始めて間もなく、体脂肪も使われることが分かってきました。そのため、短時間の運動の筋トレでも体脂肪燃焼効果が期待できるのです。
体脂肪がエネルギーになるまで
運動(刺激)
↓
脂肪分解、ホルモン&酵素活性化
↓
中性脂肪の分解開始
↓
遊離脂肪酸に分解完了されミトコンドリアに運ばれる
↓
ミトコンドリアによって酸素と結合しエネルギーになる
また、中性脂肪の分解のに発生するグリセロールは、エネルギーとして使われず体脂肪に戻ってしまいます。
